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「余白の美」


おはようございます。
エム・アイ・シー・コンサルティングの神宮です。


曇り空の週末の広島です。
早くも1月が終わります。
お正月が終わってから、あっという間でした。
ゆっくり、じっくり物事を考えることもできず、
今年も時間に追われる、そんな予感がします。
そんな日常なので、土曜日のこの時間は貴重です。
休みモードで仕事をする。
ストレスもなく、人を気にすることなく
ただ一人、自分の時間として使えるのは
僕にとっては一種の気分転換です。


さて、新型コロナウィルス感染者数は増え続け、
全国の新規感染者数は毎日最多を更新する状況です。
重症者率は低いとはいえ、怖いことに変わりはありません。
第6波の襲来が早かった広島でも、まだピークアウトせず
昨日はまた過去最多を更新する感染者数でした。
誰とも会わないで家に一人でいれば、感染することはないでしょうが、
そんな生活は長く続けることはできません。
もう3年目です。


人は、人と関係をもち、言葉を交わし、思いを伝え、相手を思いあうから
人が人でいられるのだと思います。
コロナ禍で仕事もプライベートもリモートでできるようになったことは
確かに新常態となり便利になったところもありますが、
何か味気なさが残ります。
仕事でも、実務的な報告、提案などはできますが、
相手の心に触れ、思いを伝えることには、どうしても限界を感じます。
ちょっとした相手の表情や、身振り手振りから
相手の気持ちを思いはかり、相手の立場になって話をすることで
良好な関係性は築かれます。
しかし、いまのこの状態が続けば、
人と人とのつながりや関係が希薄なる、そんな懸念もあります。


国際関係も同様のことが言えると思います。
物理的に離れており、度々言葉を交わすことはできないため
それぞれの国情と国益を優先し、取るか取れるかの視点が強くなるから
他国との連携がうまくいかないように思います。
岸田総理が就任し、ようやく日米首脳会談が先日開かれました。
同盟国であるアメリカと早い会談を望んでいた岸田総理にとっては
一安心だっただろうと思います。
しかし、このコロナの影響でオンラインでの開催となりました。
本当に信頼関係を築き、これからの世界情勢を共に連携しようとなったかという
疑問符が付きます。
就任して4か月になりますが、米国が、そしてバイデン大統領が何をどう考えているか
気になって仕方なかったはずです。
やっぱり、人と人の関係は言葉を交わし、相手の思いに触れてこそ成り立ちます。


新しい産業と技術が生まれ、利便性が高まった点では
コロナによって得たこともありますが、
失ったことの方が大きいですね。
でも、後ろを振り返ってばかりいられないのが現実社会です。
いまもコロナによって苦しんでいる人はたくさんいます。
感染した方は体調の不調に苦しみ続けている人もいますし、
とりわけ飲食業、観光業、レジャー業に携わる企業、そしてそこで働く人にとっては
なかなか光が見えてこない状況です。
また、コロナ禍の2年間で孤独を感じる人の割合も増えているそうです。
特に中高年層に多いようで、テレワークに馴染めないようです。


孤独感を解消することは非常に難しいですが、
人との交わりが重要だと思います。
他者を感じることで自分の存在を知る。
やりがいも生き甲斐も、人との関係を通して感じることが多いです。
自分だけが楽しむことで得られる幸福感は、一過性のものであり
本当に幸福は、それを共に形成してくれる人がいて、
それを感じさせてくれる存在がいてこそ得られるものです。
最近では、「ウェルビーイング」といって、経営の現場でも耳にするように
なりましたが、
自分が幸福感を得ることで、また人を思いやることができるだと思います。
そんなポケットを自分の中にもてる余裕が必要ですね。


若い時、ある広告チラシ作りをしていた時、
僕の師から、「おまえは自分の言いたいことばかり詰め込んで、見る人のことを
考えていない。」と教えてもらったことがあります。
芸術に造詣が深かったその師から、「余白の美」というものを教えてもらいました。
紙面いっぱいに、言いたいことをギューギュー詰めにするのではなく
余白をうまく使って、みる人の心に余裕を与えてあげる。
最近になって思うのは、人の日常にもこの「余白の美」が必要だということです。
必死になってすべてを捧げるかのように没頭することもある時期には必要ですが、
遊びの部分が人の心には大切なのだと思います。
僕にとって、土曜日のこの時間は、「余白の美」なのです。


本日も最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。
良い週末をお過ごしください。