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「明るい方向に人は動きます」


おはようございます。
エム・アイ・シー・コンサルティングの神宮です。


この1週間で、暑さのギアが一段と上がったように思います。
5月下旬ですが、すでに真夏日を記録する地域もあり
夏本番に向けて気が重くなる、そんな印象を受けた今週でした。


さて、4月に入社した新入社員も少しずつ職場に慣れてきたころでしょうか。
それとも、早くも意欲が減退し、覇気を感じられないところが見えてきたでしょうか。
新卒者の入社3年以内での離職率が約3割といわれていますが、
公務員でもいま、非常に離職者が増加しています。
先日、人事院が中央省庁との幹部候補、いわゆるキャリアと呼ばれる総合職の
退職状況を公表しました。
それによると、在職10年未満の若手職員の2020年度の退職者数が
109人と2013年度の76人から43%も増えています。
少し古いデータですが、平成28年度の5年未満の退職率が10%と徐々に上昇しています。
民間企業と比較とすると、この10%は非常に低い数字といえますが、
一昔前は、生涯安定の公務員として、未来の経済状況に対して大きな保証があったことは
一番の魅力でしたが、
それが、最近ではそもそも公務員を目指す人も激減しており
人手確保は民間企業同様大きな課題となっています。


人事院のこの記事を見て思い出しました。
少し前ですが、2019年に「厚生労働省改革若手チーム」というチームが
厚労省内に立ち上がりました。
厚労省の20代、30代を中心に若手38人のチームで、
厚生労働省の改革を断行するチームです。


「厚生労働省に入省して、生きながら人生の墓に入ったとずっと思っている」
「家族を犠牲にすれば、仕事はできる」
「毎日いつ辞めようかと考えている。終電を超えていた日は、毎日死にたいと思った」
「残業することが美学という認識があり、定時に帰りづらい」
「一生この仕事で頑張ろうと思うことはできない」


実際の厚労省で働いている人の声です。
やりがいのある職であるけれども、心身の健康に悪影響を与える職場である。
職員を大事にしない職場である、には45%の人がアンケートでそう答えています。
こうした状況を改革するために、立ち上がったのが、先程の
「厚生労働省改革若手チーム」です。
生産性向上のための業務改善、意欲と能力を発揮できる人事制度、オフィス環境の
改善と3つの視点から提言をし、改革を実現するという構想でした。


当時、何かの記事でこのチームのことをを知り
資料を見た記憶があります。
企業に対して、「働き方改革」を推進するよう国が働きかけていましたが、
実は、厚労省自身がもっとも率先してやらないといけないことでした。


それから、約3年がたち、冒頭の人事院の記事を見て、
そういえば、あの改革チームはどうなっているだろうと調べてみました。
着実に改革が進んでいます。
ちょうど、今月9日に改革チームの会議が行われており、
その中で、今年1月に実施した全職員アンケートの結果が出ていました。
職員の職場満足度が前年よりも上昇しており、改革チームの取り組みの
成果が出ていると言えます。
こうした一つの取り組みをすでに3年もの間、継続していることがまず
素晴らしいと感じました。
そして、3年前の提言からさらにブラッシュアップされており
新たな改革の構想も浮上していました。


どの会社にも、課題があり、社員の不平不満はあります。
それをただ言うだけ、自分の中で思っているだけの人が大勢です。
厚労省だからできたのではなく、いつでも、だれでも
自分の会社の中で、何かを変える試みをすることはできます。
そして、仲間をつくると、その輪が広がり、動きが加速します。


不平不満だけでは、人の心は動かされません。
暗い方向へは心が長続きしないからです。
なかには、後ろ向きなことばかりを吹聴する人もいますが、
聞いていて、いい気持ちにはなりません。
心は動かされません。
そういう声には与しません。
人間の本能としては、明るい未来に向かってであれば
前向きに主体的な動けるものです。


厚労省職員も同様だっただろうと思います。
「厚生労働省改革若手チーム」は、
「厚労省が変わらなければ、この日本が変わらない」という思いから発足されたそうです。
やっぱり、志とビジョンには人が共感するのですね。


本日も最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。
どうやら広島も今日は30度近くまで気温が上がりそうです。