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「いまごろ?年収の壁」


おはようございます。
エム・アイ・シー・コンサルティングの神宮です。


今日から新年度、4月です。
桜も満開ですね。
この週末がお花見には最高です。ぽかぽか陽気で天気も良さそうなので。


数日前からは、選挙カーが走っています。
統一地方選が始まり、広島でも市長選、市議選、県議選と行われます。
ご存知のように、広島では元国会議員の河井克行、案里夫妻の政治資金規正法事件にまつわる政治とお金の問題があります。
今回立候補している人の中には、河井夫妻からお金を受け取った人もいます。
有権者の審判がどう下るかも注目されています。


そして、国会では今年度の国家予算が成立しました。
過去最大の歳出総額114兆円。
人口は減少し、経済は縮小している中で
歳出規模は年々増加の一途です。
時代と逆行していると言わざるを得ません。
日本は、規模ではなく質を高める国家運営にチェンジしていかないといけないのですが、
政治家が考えることは、やっぱり選挙対策です。
為政者として、国民に痛みを強いてもやらざるを得ないことはたくさんありますが、
日本のこの政治体制では一部の国民に耳障りの良いことばかりを言い、
お金をつぎ込めば良いぐらいにしか思っていないのだろうと感じられます。
そして、そのつけを押し付けられる将来世代のことは考えません。
いま、自分が政治家である間を無事に過ごしたいことが優先されるからです。


その最たる例のひとつは、いま問題となっている「年収の壁」です。
配偶者の収入が増えると税金や社会保険料の支払いが発生し、手取りが減るという
問題です。
僕からすれば、「いまごろ」です。
こんな問題は、もう10年以上前から分かっていたことで、このブログでも
何度か過去に話してきました。
政府は、毎年最低賃金を上げて全国平均1000円を当面目指しています。
これ自体は、必ずしも悪いとは思いません。
ただ、資本主義経済であれば能力ある人、あるいは貢献する人の賃金が
あがることが重要で、能力や貢献度が変わらない人でも自動的に賃金が
上がるのはどうかと思いますが。


一方で、所得税あるいは社会保険の扶養に入っている配偶者は、
その枠から外れないように、時給が上がった分だけ働く時間を抑えます。
つまり、年収は増えないうえに、企業はその分人手不足に陥ります。
誰のための政策なのかさっぱり分かりません。
昭和の高度経済成長期は、専業主婦世帯も多かったようですが、
いまはもう圧倒的に共働き世代が多いです。
にもかかわらず、国は昭和の古びた制度を残して、
それでいて労働者の賃金を増やすとか、世帯収入を増やすという架空の
大義名分を掲げ続けてきました。
この罪は大きいと個人的に思います。


税金にしても社会保険にしても、扶養という概念を取っ払わない限り
将来の社会保障制度も構造的人手不足の問題の解決も、そして家庭の経済的豊かさの
実現も成り立たないのは、かなり以前から分かっていたことです。
いまごろ、「年収の壁」が議論されているのは、これまでの現状認識が甘すぎて
時代遅れも甚だしいです。
しかも、驚くのは、これまで扶養の中で働いていて
健康保険や厚生年金の保険料負担がゼロだった人に対して
年収の壁を越えた人の保険料は国が支援するなどという
まったく意味の分からない、到底承服できないことを考えているという有様です。
これまで手取りが減ってでも保険料を納めてきた人たちに対して
どう説明するのでしょうか?
税や保険料において、もっとも重要な公平性を政府が自ら壊そうとしています。


税金の徴収とその分配は、国民の理解と同意なくして実施してはいけません。
これは民主主義の根幹です。
世界では、いま、民主主義と権威主義が真っ向から対立しています。
民主主義の盟主だったアメリカでは、いま分断が進んでいます。
日本でもそのようなことがあってはいけません。


岸田総理はじめ政府には、未来に禍根を残さないよう熟考を求めます。


コロナに振り回されたこの3年間でしたが、ようやく人が自由に動き出し
心も少しずつ軽くなってきつつあるように思います。
このコロナによって人生を翻弄され、大きく進む道が変わった人も少なくないでしょう。
悔やんでも過ぎた時間を取り戻すことはできませんが、
その分、未来をより良きものにすることはいまからできることです。
また新しい自分の人生の歴史をつくっていきましょう。


本日も最後までお付き合いいただき
ありがとうございます。
良い週末をお過ごしください。