お問い合わせ

まずはお気軽に
お問い合わせください
082-222-3191 AM 9:00~PM 5:00

ブログ

 
「泰然自若」


みなさん、おはようございます。
エム・アイ・シー・コンサルティングの神宮です。


やはりこの時期は、三寒四温といわれる通りですね。
暖かくなったかと思うと、寒さが冬に逆戻りしたりを繰り返します。
朝、家を出るときにコートがいるかなと考えますが、
でも、確実に一雨ごとに春が近くなっています。


プロ野球はオープン戦が始まり、
開幕まで1ヶ月を切りました。
この時期は、開幕1軍を目指して当落線上にある選手たちは
必死です。
プロ野球選手の寿命は決して長くなく、多くの選手は引退してからの
人生が長いです。
高校、大学卒業もしくは社会人を経験してプロに入団するのが
10代後半から20代前半にかけてです。
そこから10年現役を続けられる選手は、ごく一握りで
多くの選手はプロ選手後、数年で引退となります。


毎年、年末に戦力外通告を受けた選手が
トライアウトという全チーム合同の入団テストに臨み
プロ野球選手を続けられるか、それとも引退するのかを
追いかける番組がありますが、ご覧になったことがある方もいると思います。
この番組を見ていると、プロの世界は厳しいなとつくづく思います。
選手としての旬の期間は短く、プロ選手になって数年の内には
結果を出さないと解雇通告が待っています。


一般の社会人であれば、学校卒業後1年目から結果を求める企業は
そうないですね。
いまは、日本の雇用も以前に比べると流動性は高くなっていますが、
それでも諸外国と比較すると雇用は守られています。
同じ10代、20代のプロ野球選手は、実力世界なので発揮できなければ
そこで終了。運悪く、怪我で故障した選手は実力を出し切れないまま
引退することも少なくありません。
だからこそ、毎日必死に練習し、何とか試合に使ってもらいたいとアピールし、
そして少ないチャンスを生かそうとします。
そこは、一般の社会人にも学ぶところはありそうです。


そんな厳しいプロの世界で、40歳を過ぎてなお現役というのは
ものすごいことです。
メジャーリーガーのイチロー選手の、今シーズンの所属先が決まりました。
2001年に華々しくメジャーデビューしたイチロー選手も44歳。
日本のプロ野球よりも厳しいメジャーの世界で
20年近く第一線で活躍するイチロー選手は、日本人として誇らしく思います。
数々の成績をこれまで残してきましたが、
選んだチームは、17年前と同じシアトルマリナーズでした。


イチロー選手の入団会見が大変興味深かったです。
マリナーズを出てからの5年間は、イチロー選手でも厳しい時間だったようで
耐える力が強くなったそうです。
また、アメリカでのキャリアは終わったと思うかという記者からの質問に対して、
「泰然」という言葉を使いました。
プレーヤーとしても人間としても、自分が目指す状態であり、そういう自分に
出会えたことをうれしく思うと言っています。


この言葉にイチロー選手の真骨頂が隠されていると思いました。
プロの世界なので当然、結果を出さないといけませんが、
その結果を出すための自分の状態をつくることを最も重視しているのが
分かります。結果を求めるばかりに自分の正しい状態を崩してしまい
それが焦りとなり結果が出ないというパターンに陥る選手は
多いと思います。
イチロー選手のクラスになると、目指すところが違います。
周りに振り回され、周りに合わすのではなく、
結果を出すための自分の状態を最高のレベルに仕上げることに
注力しているのだと思います。
だからぶれないのですね。


しかも、イチロー選手は、「プレーヤーとしてだけでなく
人間としても」と会見で話しています。
それが、「チームの力になるのであれば、何でもやりたい。自分が今まで
培ってきたすべてをチームために捧げたい覚悟だ」という言葉に
つながっているように思います。
野球道を一心に追求し、他を寄せ付けない侍のような印象でしたが、
今回のイチロー選手の会見は、これまでのイメージと違いました。


人は、他者とのかかわりの中で生きています。
だから、他人なくして自分の存在を見つけることはできません。
内向き志向、自分ファーストという考え方が蔓延していますが、
その先に何があるか僕にはよくわかりません。
自分が生きるのも、自分が働くのも
やっぱり誰かのためでいたいと思います。
そこに生きがいがありますね。


「泰然」というイチロー選手の言葉に
以前僕が志していた武道の「泰然自若」という精神を思い出しました。


本日も最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。