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「デジタル行政の形骸化」


おはようございます。
エム・アイ・シー・コンサルティングの神宮です。


広島は、もうすでに30度近くまで気温が上がっています。
今週、梅雨入りしましたが、その途端に暑さのギアが
ワンライク上がったみたいに真夏日が続いています。


さて、コロナ対策の一環でできた国の持続化給付金を巡って
このところ相次いで巨額詐欺事件が発覚しています。
東京国税局職員らによる2億円詐欺、一家4人による10億円詐欺。
この家族4人による10億円なんて
怒りを通り越して、よくできたなぁと不謹慎ながら感心すらしてしまいます。


持続化給付金とは、コロナ感染拡大により事業の影響を受け売上が減少した
事業者に対して、法人には200万円、個人事業主には100万円を支給する
というものです。
コロナ感染が確認された初年度の2020年5月に始まっており、
当初からこうした詐欺も起こるのではという懸念はありました。
補助金や助成金と比べると、申請は非常に簡素で緩い制度でした。
しかし、これは、スピード重視の国の方針であり、理解もできました。
一方で、支給後のチェック体制を厳しくしており、
支給後に不正が発覚した場合は、20%の加算金を上乗せして返還するように
なっています。


これまで持続化給付金の不正受給は全国で3700人以上。
被害総額はなんと32億円を超えています。
年代別では20代以下で7割を占めています。


おそらく個人事業主として不正申請したものが大半と思われるので
10億円だと1000人の申請者が関わっていたことになります。
同じ手口で1000人なんて、よくできたなぁと思いますね。


国税局職員がかかわる事件では、その職員が架空の確定申告書を作成していたと
報じられています。
職権を利用して公金を扱う立場の人間が、公金をだまし取るなんて
国税庁、税務署の信頼は失墜したと言えます。
まっとうに事業を行う会社やまじめにコツコツ働く国民から
多額の税金を徴収しておいて、身内ではその公金を詐欺グループに横流ししていた
とするならば、取り返しのつかない大失態です。


安易に犯罪に関わった無知な若者も罪ですが、
なにより、国のデジタル行政はどうなっているのかと、そっちの方に
憤りを覚えます。
なぜならば、法人には法人番号、個人にはマイナンバーが数年前から
勝手に与えられており、法人から個人の資産状況まで管理しようとしているのが
国です。
素人的に単純に考えるならば、いくらスピード重視とはいえ
法人番号やマイナンバーで検索すると、過去の申告状況が瞬時に確認できるはずと
思うのですが。


持続化給付金の申請には、確定申告書の写しは必須でした。
そして、詐欺事件に関わった申請者は、個人事業主でも何でもない者、
学生もいたと聞きます。
であるならば、申請された時点で少なくとも過去に確定申告していない者は
すぐにはじかれるはずです。
それがスルーされて、架空の確定申告書を作成して申請することで
公金が詐欺グループに渡っています。


結局、国がどんな制度をつくっても、運営ができなければ意味がなく
意味がないだけでなく、その事業を推進するにあたり多額の税金が投入されて
いることに強い憤りを覚えます。
形だけの表向きだけの事業を国が行うだけでも、潤う人たちがたくさんいます。
そこにも僕たちが納める税金が使われています。
それが、国民の安心や生活の向上に役立つのであれば
何の問題もありませんが、もしそうでないならば何をかいわんやです。


「デジタル行政」と国や為政者は連呼し、デジタル庁まで作っていますが、
形骸化していると言えます。
それが本当に国民のためになるのか、
もう一度、丁寧な説明と確実な運営をお願いしたいものです。


本日も最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。
広島は明日まではいい天気みたいですが、
来週からは本格的な梅雨になるようです。